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LIFESTYLE

2015年9月12日(土) 版画研究会を開催しました。

 

芸術の森・版画工房にて会員限定(19名参加)*一般の見学は自由として開放していました。

 

1.木村多伎子会員による木版画実演と講義

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実演では、基本の油性インクを使った木版多色刷りの成立ちが、よくわかり、印刷技術が進んだ現代で「自刷り」の意義を感じる講義でした。また、美術との関わりや作家としての制作姿勢を幼少期のお話しに加え南画への憧れや10代での貴重な中国での就職・戦争・引上げ・結婚に至るまでの半生に交えて学べました。特に海外を含めた取材旅行やギャラリー巡り時のご自身の教訓である「私の作品に似ているものはないか?万が一似ているものがあれば、方向転換含め真のオリジナリティーを掴もう」という言葉には、身の引き締まる思いをしました。

(感想・管理人)

 

木村多伎子・略歴

1927年北海道旭川生まれ

1944年札幌市立高等女学校卒業・華北交通北京本社入社、日常中国語取得後・中国山西省太原主計課移動

1945年戦争激化し8月に山東省済南に転勤、2週間後終戦

1946年2月済南より列車で半日移動後、徒歩で青島まで行き、米軍のLSTで長崎県南風崎に帰国。

1964年中谷有逸氏に版画を師事

1965年第40回記念道展初入選、以後道展・国展など入選・受賞を続ける

1973年大丸セントラルギャラリーにて個展、北海道版画協会入会

1974年北海道教育大学助教授・峯田敏郎氏に人物を描く基本と初歩の彫刻を学ぶ

1978年第53回道展にて会員推挙

1979年第52回国展にて会員推挙

以後、出版、講座講師、個展開催も加わり活躍の場が一層広がる。また、モロッコ・フランス・アメリカ・ブラジル・タイ・インド・中国・イギリスなどテーマを求めて海外にいくようになる。

1985年北海道教育大学岩見沢分校臨時講師就任

1987年北海道教育大学岩見沢分校講師就任-1997年退職

 

国画会・・北海道美術協会・北海道版画協会会員

 

 

2.故金沢一彦会員からの寄贈の銅板・インクで参加会員が銅版制作

 

小林会員のオリエンテーション後、6㎝角の銅板

に「花」をテーマにドライポイント・エッチング・アク

アチントなどで取り組みました。

シルクスクリーンや木版を主にする作家には新鮮

な制作となりました。

 

 

 

3.手島圭三郎会員による講義

 

「人は、生まれる場所・育つ環境を選ぶことはできない」という言葉にはじまり、生い立ち、42才から版画家・絵本作家として独立し生計を建て続けていることを「自分のマイナス面をプラスに置き換えられた」としてユーモアを交えながらお話しされました。時代とテーマの変遷や絵画ブーム、編集者とのやりとりなど自らの体験からこそ伝えられる講義を満喫することができました。

冬はものを考える時間と位置づけ「発想➡ラフ制作➡骨版➡色版・編集者とのやりとり➡完成」で北海道の四季を分けていたり、全講義を通じて「作家のアイデンディティーは培われる」のだと実感しました。

(感想・管理人)

 

 

 

 

 

手島圭三郎・略歴

1935 北海道 紋別市生まれ

1957 北海道学芸大学 札幌校 卒業

1977 中学校での20年間の教員生活を終え木版画家として独立

1982 『しまふくろうのみずうみ』 絵本にっぽん賞

1984 『カムイチカプ』 厚生省児童福祉文化奨励賞

1986 『きたきつねのゆめ』 ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞

1987 『おおはくちょうのそら』 ニューヨークタイムス選・世界の絵本ベストテン入

1988 『きたきつねのゆめ』  ニューヨークタイムス選・世界の絵本ベストテン入

1997 『おおはくちょうのそら』 ドイツ児童文学賞 絵本部門・ノミネート賞

 

現在まで 絵本34冊刊

近年では、藤女子大での「子ども文化論」特別講義など。70歳の時から始めた「生命賛歌」シリーズが7冊をすでに出版し、8冊目に取り掛かっている。

日本版画協会・全道美術協会会員・北海道版画協会会員

 

 

4.各自が制作した銅板を集合作品として刷り上げ

 

実験的ながら、毎回レイアウトや刷り具合の違う作品に、

プレス機を囲んで歓声を上げていました。

)

 

 

 

 

 

*この作品は、12月の作品展にて展示予定です。

 

 

2014年以前のイベントなど

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